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熱中症のメカニズムを解説 かかりやすい人や予防法は?

  • 健康情報
更新日: 2023.06.02
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この記事を書いた人:清水杏里先生

ワーカーズドクターズ産業医 精神保健指定医 日本精神神経学会専門医

ワーカーズドクターズ産業医 精神保健指定医 日本精神神経学会専門医

蒸し暑い日が増える夏。8月には熱中症による救急搬送が急増します。熱中症が起こる原因や対処法を知り、予防に努めましょう。

熱中症が起こるメカニズム

 熱中症を引き起こす条件は、「環境」と「からだ」と「行動」によるものが考えられます。 「環境」の要因は、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなどがあります。急に熱くなった日は特に要注意です。 「からだ」の要因は、高齢者や乳幼児、肥満の方、脱水や低栄養が危険因子です。また、二日酔いや寝不足といった体調不良も熱中症を引き起こしやすくなります。 「行動」の要因は、長時間の屋外作業や水分補給ができない状況などに加え、激しい労働や運動によって体内に著しい熱が生じたり、暑い環境に体が十分に対応できないことなどがあります。

▼参考資料はコチラ
環境省「熱中症予防情報サイト 熱中症対策関連情報」

熱中症にかかりやすい人の特徴

 若年男性のスポーツ、中壮年男性の労働による熱中症は、屋外での発症頻度が高いものの、重症例は少ないといわれています。高齢者では日常生活のなかで起こる熱中症が増えています。屋内で発症する熱中症では、高齢、一人暮らし、運動不足、精神疾患や心疾患などが死亡につながる危険因子とされています。

▼参考資料はコチラ
厚生労働省「日本救急医学会 熱中症診療ガイドライン2015」

熱中症に関するデータ

<救急搬送の月毎の比較>

 例年、6月頃から熱中症による救急
搬送が増えだし、8月に大きなピーク
を迎えています。

 日本の夏は暖かく湿った空気を持つ
太平洋高気圧に支配されており、気温
が高いだけではなく、湿度が高く蒸し
暑いのが特徴です。夏季の気温上昇が
進むとともに、熱中症患者の急激な増
加が、近年大きな問題となっています。
救急搬送月毎

<年齢区分別の救急搬送>

 令和2年のデータでは高齢者が
最も多く57.9%、次いで成人
33.5%、少年8.1%、乳幼児0.5%
の順となっています。
熱中症年齢区分別

年齢別救急搬送状況

<発生場所別の救急搬送>

  令和2年のデータでは住居が最も多く 28,121 人(43.4%)、次いで道路 11,276 人(17.4%)、仕事場A7,065 人(10.9%)の順となっています。屋外だけでなく屋内でも熱中症
 予防が重要といえます。

熱中症救急搬送発生場所別

▼参考資料はコチラ
総務省「令和2年(6月から9月)の熱中症による救急搬送状況」

熱中症の予防方法5選

  1. 1. 暑さを避ける … 換気を確保しつつエアコンの温度設定をこまめに調整、暑い日や時間帯は無理をしない
  2. 2. 適宜マスクをはずす … 周囲の人との距離を十分にとった上で、適宜マスクをはずして休憩を
  3. 3. のどが渇く前にこまめに水分補給を … 1日あたり1.2リットルを目安に
  4. 4. 日頃から健康管理を … 体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養
  5. 5. 暑さに備えた体作りを … 暑くなり始めの時期から適度に運動を

▼参考資料はコチラ
環境省「令和2年度の熱中症予防行動」

熱中症の応急措置

 涼しい環境への避難

風通しのよい日陰や、クーラーが効いている室内に避難させましょう。

脱衣と冷却

上着を脱がせて、体から熱の放散を助けます。きつい
ベルトやネクタイ、下着はゆるめて風通しを良くします。
肌に濡らしたタオルやハンカチをあて、うちわなどで扇
いで体を冷やします。氷のうを後頭部、首の付け根、脇
の下、大腿の付け根に当てることも有効です。体温の冷
却はできるだけ早く行う必要があります。

 水分・塩分の補給

意識がはっきりしている場合、冷たい水を自分で飲んでもらいます。塩分も補える経口補水液やスポーツドリンクなどが最適です。「呼びかけや刺激に対する反応がおかしい・答えがない」「吐き気がある」場合は、口から水分を飲んでもらうのは 禁物で、すぐに病院での点滴が必要です。

 医療機関へ運ぶ

自力で水分の摂取ができないときは、塩分を含め点滴で補う必要があるので、緊急で医療機関に搬送することが最優先の対処方法です。

▼参考資料はコチラ
環境省「熱中症対策ガイドライン _ 環境省熱中症予防情報サイト」

熱中症予防に!リストバンド型ウェアラブルデバイス「hamon band」

初期段階ではなかなか気づきにくく、自覚症状が出てからでは既に重症化や場合によっては死に至る危険もある熱中症。そこで、ここからは熱中症の重症化を未然に防ぐために開発された「hamon band(ハモンバンド)」をご紹介します。

「hamon band」は、腕時計のように手首に着けるだけで、熱中症の状態がわかるリストバンド型ウェアラブルデバイスです。身に着けることで深部体温の変化が測定でき、暑熱環境下での作業者や、暑さに気づきにくい高齢者の見守りが可能になります。

「hamon band」が暑熱リスクを感知すると、危険レベルに応じた3色のLED点灯で注意を促します。危険レベルが上がると、LEDの点灯に加えてバイブレーションでも通知されるため、ご自身では気がつきにくい熱中症リスクにもすぐに気がつくことができます。

その手軽さから、ご家庭ではもちろん企業での導入も進んでいる注目のアイテムです。

▼商品の詳細はコチラ
ミツフジ株式会社「hamon band」

公開日: 2021.06.08
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