しかし、SASの害はそれだけではなく、高血圧や心疾患、脳卒中、糖尿病などの病気を発症する危険性が高くなったり、悪化させることが明らかになっています。
いびきは無呼吸の前兆です。周りの人から、いびきや睡眠時の無呼吸を指摘されている人は、早めに睡眠外来や呼吸器内科などの医療機関※を受診しましょう。
※日本睡眠学会のホームページ(http://www.jssr.jp/)では、専門医療機関を調べることができます。
そのいびき、睡眠時無呼吸症候群かも!
- 健康情報
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり(無呼吸)、呼吸が浅くなったりする(低呼吸)状態が繰り返される病気です。毎日続くいびきや、日中に強い眠気がある場合は、医療機関を受診しましょう。
日中の眠気や、居眠り運転事故の原因に
文字どおり寝ている間に何回も呼吸が止
まる病気です。SASの人は、睡眠が妨げ
られるため、日中に強い眠気が起こり、
運転中の事故や仕事のミスにつながりや
すくなります。
毎日続くいびきは命にかかわる病気の前兆かも
肥満やあごが小さいことによって、気道が狭くなることが要因
いびきや無呼吸は、就寝中にのど(気道)が狭くなることが主な原因です。さらに、その要因には、肥満とあごが小さいことがあげられます。
●肥満…肥満により、のどの周りに脂肪がつき過ぎると、気道(空気の通り道)が狭くなります。舌根(舌の付け根の部分)が肥大すると、一層狭くなります。
●あごが小さい…あごが小さいと、のどの断面積も小さくなるため、気道が狭くなります。
なぜ睡眠時に呼吸が止まる?
睡眠中にも気道の広さが十分に保たれ、呼吸
がスムーズにできる。
睡眠中に舌の根元が落ち込み、気道がふ
さがったり狭くなったりして、いびきや
無呼吸が起こる。
重症度に応じて行われるSASの治療
SASの治療は、重症度に応じて「CPAP(シーパップ・持続陽圧呼吸療法)」や「マウスピースの装着」などの治療が行われます。また、主な原因である肥満を解消するための減量など、生活習慣の改善が基本中の基本です。
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- 1. すべての患者さん…生活習慣の改善
無呼吸になりやすい生活習慣を見直すことが大切です。
ごく軽症の人は、生活習慣を改めるだけでSASが解消
することもあります。
- ●減量
- 肥満になると、首回りやのどに脂肪がついて気道が狭
くなり、いびきをかきやすくなります。食べ過ぎに注
意し、運動量を増やして肥満の解消に努めましょう。
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- ●禁煙
喫煙すると気道の炎症を誘発し、呼吸機能を低下させます。 - タバコを吸っている人は必ず禁煙を。
- ●禁煙
- ●晩酌後すぐの就寝や入眠前の飲酒をやめる
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飲酒すると、のどの筋肉が緩み、気道がふさがりやす
くなります。晩酌してそのまま寝たり、入眠前の飲酒
はやめましょう。- ●横向きに寝る
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あお向けに寝ると、重力によって舌の根元の部分が下
がって気道が狭くなります。抱き枕などを使うのもよ
いでしょう。
2. 軽症?中等症…マウスピース(口腔内装置)の装着
睡眠中にのどがふさがらないようにするため、睡眠中にマウスピースを装着します。マウスピースにより、下あごが少し前に出て、舌の位置が前方に引っ張られることにより、呼吸がしやすくなります。
3. 中等症?重症…CPAPによる治療
鼻にマスクを装着し、そこから空気を送り込んで
のどがふさがらないようにするCPAPによる治療
です。機械から一定の圧力で空気を気道に送るこ
とで、気道がふさがるのを防ぎ、無呼吸や低呼吸
を改善します。
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