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産業医を変更したい!変更届の出し方や失敗しない選び方について解説

  • 産業保健
更新日: 2024.06.27
産業医を変更したい!変更届の出し方や失敗しない選び方について解説
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この記事を書いた人:ワーカーズドクターズ編集部

産業保健に関する情報を幅広く発信。産業医業界で10年以上、約1,250ヶ所の事業場の産業保健業務サポートをしているワーカーズドクターズだからこその基礎知識や最新の業界動向など、企業様の産業保健活動に役立つ情報をお届けします。

産業保健に関する情報を幅広く発信。産業医業界で10年以上、約1,200ヶ所の事業場の産業保健業務サポートをしているワーカーズドクターズだからこその基礎知識や最新の業界動向など、企業様の産業保健活動に役立つ情報をお届けします。

労働者が健康に仕事をできるようサポートする産業医。しかし、労力をかけて産業医を選任しても、「自社に合わなかった」というケースは珍しくありません。そのようなときは速やかに、産業医の変更を検討するといいでしょう。

本記事では、産業医を変更したほうが良いケースや変更に伴う手続き、産業医を選任するときのポイントなどを詳しく解説していきます。

経営者や人事労務担当者の方々が産業医についてより良い判断を行い、自社の健康経営を改善するための参考になれば幸いです。

産業医の変更を検討した方がいいケース

産業医 変更届_2.jpg

まずは、産業医の変更を検討した方が良いケースをご紹介します。自社に当てはまるものがないか、確認をしてみてください。

産業医としての業務を行なわない

産業医としての業務は、「労働安全衛生規則第14条第1項」で定められています。主な職務としては下記の通りです。

(1)健康診断、面接指導等の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措 置、作業環境の維持管理、作業の管理等労働者の健康管理に関すること。
(2)健康教育、健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るための措置に関すること。
(3)労働衛生教育に関すること。
(4)労働者の健康障害の原因の調査及び再発防止のための措置に関すること。

引用:厚生労働省「産業医について」

産業医は労働安全衛生法で実施することを定められた業務は最低限行う必要があります。しかしながら、「ストレスチェックの実施者を務めようとしない」「月に1度の職場巡視に来ない」「理由をつけて面談を行ってくれない」…など、当てはまれば要注意です。

産業医の主な業務内容としては、健康診断とその結果を踏まえたフィードバック、治療と仕事を両立させるための支援、ストレスチェック、長時間労働者への面接指導、職場巡視による職場環境の確認、衛生委員会への参加などがあげられます。

労働基準監督署への届出だけ済ませて実働がほとんどないケースも稀にあります。名ばかりの産業医となってしまうと違法になるケースもあるので、上記の業務を産業医が行っているかどうか今一度チェックしてみてください。

▼参考資料はコチラ
労働者健康安全機構「中小企業事業者の為に産業医ができること」

従業員との面談で産業医としての的確なアドバイス・改善策を提案できない

さらに、産業医としてのスキルが乏しいケースもあります。定められた業務の中でも重要となる「従業員との面談」において、産業医として的確なアドバイスや改善策を提案できない、提案できるだけの知識を持っていない、などがあげられます。

新型コロナウイルスの感染拡大により、精神面での不調が多くなるなど、最近はとくに、メンタル面でのサポートが重要視されています。産業医にメンタルヘルスの知識が必要な義務はありませんが、労働者から求められた相談に応じられなくては、産業医としての職務を果たしているとは言えません。

最悪の場合、不適切なアドバイス・対応により労働者の健康状態を悪化させてしまうことも考えられます。改善の姿勢が見られなければ、解任・変更の検討が望ましいと言えます。

人事・労務部門と並走して健康経営を促進しようする姿勢が見られない

産業医は、人事・労務部や経営者と並走する姿勢が重要です。労働者のヘルスケアを行うことは、企業全体の健康経営の促進に繋がります。しかし、産業医が本質的な役割を理解しておらず、経営の面から適切なアドバイスが出来ていないケースもあります。

また、労働者の健康状態に問題が起きた際、産業医は中立的な立場で人事労務部・主治医・労働者の上司と連携する必要があります。産業医が労働者のことを考えたコミュニケーションを取れているかどうかも、チェックポイントの一つです。

産業医の変更手続き方法

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次に、産業医の変更手続きについてご説明します。基本的に、産業医の選任と同じような手順を踏めば問題ありません。ただし、現在の産業医を解任してから14日以内に新たな産業医を選任する必要があります。

変更手続きは、選任の際に使用した「産業医選任報告」を用意し、医籍番号のわかる「医師免許証のコピー」、「産業医であることを証明できる書類」を添付して労働基準監督署へ提出します。「産業医選任報告」の入手・提出には、以下の方法があります。

入手方法
・労働基準監督署で直接もらう
・厚生労働省ホームページよりダウンロードして印刷する
・厚生労働省ホームページの入力支援サービスを利用する

厚生労働省ホームページの入力支援サービスは、オンライン上で書類作成し、不備の確認や入力したデータの保存を行うことができるサービスです。オンラインでの提出はできないので、記入後に印刷してから提出します。

▼参考資料はコチラ
厚生労働岡山労働局「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービスについて」

提出方法
・労働基準監督署の窓口で提出する
・労働基準監督署に郵送で提出する
・電子申請を利用する

電子申請を使うとオンライン上で書類の提出ができ、自宅や会社からいつでも申請できます。メンテナンスで使えない時間帯もあるので注意してください。

▼参考資料はコチラ
デジタル庁「e-Gov電子申請」

実際の「産業医選任報告」の書類はこちらです。

図表1.png

引用:厚生労働省 「総括安全衛生管理者・安全管理者・衛生管理者・産業医選任報告様式」

報告書類の主な記入内容は下記の通りです。

・事業場の基本情報
・労働保険番号
・労働者数
・産業医の基本情報
・産業医の医籍番号

加えて、前任の産業医を解任する際は、書類下部の
・前任者氏名
・辞任、解任等の年月日
も記入します。

辞任・解任の年月日は新たな産業医の選任日と同一である必要はなく、過去14日以内であれば問題ありません。補足として、解任のみを報告する書類や手続きはなく、新たな産業医を選任した際にあわせて解任した旨を報告する形となります。

産業医を早急に変更できない場合2名体制を検討しても良い

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産業医を早急に解任・変更したい場合でも、すぐに手続きができないケースもあります。 産業医との相互の承諾や契約上の理由、経営者・企業との付き合いなどにより、解任までに時間がかかってしまうこともあります。

そのような場合、一時的に産業医を2名体制にすることもひとつの手です。通常、産業医を2名体制で置いているのは労働人数が3,001人以上の大企業が中心です。しかしその条件に達していなくても、義務を果たしていれば複数の産業医との契約は可能です。

特例で2人体制にしている間、2名分の費用が発生するデメリットもありますが、労働者の健康状態・職場環境を優先するのであれば、産業医に相談できない期間をなくし早急に意思決定することも重要です。

失敗しない産業医の選び方のポイント

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「次こそ失敗したくない」と産業医選びに慎重になっている人事労務担当者・経営者に向け、産業医選びで失敗しないために見るべきポイントや、新しい産業医のスムーズな見つけ方をご紹介します。

前任の解任理由をもとに会社の求めている産業医像を明確化する

まず、会社のヘルスケアを安心して任せられる産業医かどうかの見極めが大切です。採用の際も、産業医という特別な枠組みで考えず、一般社員と同様に「会社の求めている人材かどうか」を判断します。その際に判断材料となるのが、「なぜ前任の産業医は自社に合わなかったのか」という点です。

冒頭で「産業医の変更を検討した方がいいケース」をご紹介しましたが、その上でなぜ今回は合わなかったのか、自社は産業医に何を求めているのかを明確にしておくと良いです。

たとえばメンタルヘルス対策に力を入れたい、職場環境をより快適するためのアドバイスが欲しい、腰痛などの職業病の解消について相談したいなどの産業医の専門分野に関わることや、従業員が相談しやすいような年齢や性別に関する要望などが挙げられます。産業医のなかでも内科医や精神科医など、携わっている領域が違うので、自社が必要とする知識をもつ産業医を選任するためにも事前に採用基準を設けましょう。

産業医紹介サービスの活用もおすすめ

また、産業医を見つけるには、経営層からの紹介、医師会などの紹介も多く見受けられます。しかし、経営層の紹介や医師会などの紹介は付き合い上の理由などで、自社に合う産業医を見極めることが難しいケースもあるのではないでしょうか。より良い産業医を見つける最善の方法として、産業医の紹介サービスの活用がおすすめです。

紹介サービスは、産業医に関して熟知しているスタッフが企業と産業医の間に入り、中立的にサポートしてくれることがメリットです。また、前任で何が問題だったのかを伝えることで、問題点を改善してくれるような産業医をスムーズに見つけ出してくれます。また、精神科や婦人科など担当の産業医が専門領域でなくてもバックアップする専門医がいる、これが産業医紹介サービス会社の強みです。

まとめ|現状の課題を把握し自社に合う産業医への変更を検討しよう

今回は、産業医の変更について解説してきました。

産業医の存在は、労働者の心身の安全・企業の健康経営を促進するために欠かせない存在です。そのため、「自社に合わないな」と感じた場合は解任・変更の検討をおすすめします。

また、次の産業医選びに失敗しないためにも、中立的な立場でサポートしてくれる「産業医紹介サービス」を活用してみてはいかがでしょうか。ワーカーズドクターズでは業界、業種ごとに異なる産業保健活動の課題に対して的確な指導ができる産業医をそろえております。

産業医の選任でお困りの場合は、いつでもワーカーズドクターズへご相談ください。

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公開日: 2021.09.09
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