産業保健師の探し方は?

代表的な産業保健師の探し方として、以下の3つがあります。
- ・求人を出して募集する
- ・開業保健師へ依頼する
- ・人材紹介サービスを利用する
1.求人を出して募集する
一般従業員と同じ方法で、企業が独自に求人を出して募集をする方法です。求人募集をする媒体としては、自社採用サイトやハローワークが代表的です。
自社の採用ホームページ
自社独自の採用ホームページを通して、一般従業員と同じルートで募集をかける方法です。自社サイトであるため費用を抑えられ、給与や勤務形態を自由に指定できる点がメリットです。
一方で、募集要項の作成や応募者との連絡、面接の実施など全ての採用プロセスを自社で行うため手間がかかります。
また、さまざまな人材が応募するため、産業保健師としてふさわしい人材を自社で厳選する必要があります。ふさわしい人材を選べるほどの知識がないと、採用後のミスマッチが生じる可能性があります。
ハローワーク
ハローワークに求人を出して応募する方法です。無料で募集できることに加え、地域に在住する人材を確保しやすい点がメリットといえます。一方で、求職者のスキルや経験にばらつきが生じやすく、マッチングが難しいでしょう。
2.開業保健師へ依頼する
開業しているフリーランスの産業保健師に依頼し、業務委託契約を結ぶ方法です。独立して活動できるほどの豊富なスキルと経験を有した人材に依頼できるため、産業保健師を初めて導入する場合も安心です。
一方で、活動場所が都市部に集中しているケースが多かったり、多忙で依頼できる人材が見つからなかったりする点がデメリットです。
3.人材紹介サービスを利用する
登録している産業保健師から、自社に適した人材をマッチングしてもらえる人材紹介サービスも探し方の一つです。自社が産業保健師に求める条件や導入へのニーズを把握した上で、適切な経験を持つ人材を紹介してもらえる点がメリットです。
一方で、採用時に報酬が発生するため、無料で探せる採用サイトやハローワークに比べるとコストがかかります。
ワーカーズドクターズでは、産業保健師の紹介を行っております。全国主要12都市の支店展開で、21,800名を超える保健師、看護師が登録しており、自社に合わせた人材をご紹介可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
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企業に産業保健師が求められる理由は?

産業保健師を探す際には、どのような役割を求めるのかを明確にしておくと、採用基準が設定しやすくなります。では、企業に産業保健師を導入するのは、どのような理由から求められることが多いのでしょうか。3つの理由を説明します。
- ・産業医との連携強化
- ・人事労務担当者の負担軽減
- ・健康管理の適正化
1.産業医との連携強化
産業保健師が多忙な産業医と連携することで、時間的な余裕がなく実施できていない取り組みに注力可能になります。
産業医は、月に1回などの非常勤の勤務形態で運用されているケースが多いでしょう。限られた訪問頻度の中では、細かい従業員からの相談や職場巡視まで手が届かないことがあります。
そこで、保健師が健康相談やメンタルヘルス支援の窓口となり、労働環境面での課題や従業員の健康問題を把握し解決する役割を担うとよいでしょう。必要に応じて保健指導や従業員向けのセミナーを開催します。解決が難しい問題は産業医に依頼し、助言を受けて適切な措置を行います。
産業保健師が産業医に準じた役割を担うことで、産業保健活動を効率化できる点から、産業保健師が注目されています。
2.人事労務担当者の負担軽減
産業保健師が人事労務担当者と連携することで、負担の軽減につながります。疾病による休業など、問題発生後の対応は、担当者にとって大きな手間になります。たとえば、メンタルヘルス不調は突発的に生じるケースが多く、迅速に休業制度の説明や診断書の入手などを行う必要があります。
産業保健師が不調者の相談窓口として対応しつつ、事務手続きもあわせて担うことで、業務上の負担軽減につながります。
また、人事労務担当者は精神面や身体面の不調者への接し方について、どう接したらいいか難しさを感じるかもしれません。人事労務担当者の負担軽減のためにも、医療的な知見を持った産業保健師と人事労務担当者が連携することが大切です。
3.健康管理の適正化
産業保健師がいることで、従業員一人ひとりの健康状態の把握や対応まで実行しやすくなります。たとえば、健康診断結果について、有所見者のピックアップや職場の傾向分析、保健指導など個人の状態に合わせた対応ができます。
法令対応の義務はないものの、従業員個人に応じた健康管理は、近年健康経営を行う上で重視されているポイントです。産業保健師が健康管理の役割を担うことで、従業員が長く働き続けられる職場づくりにつながります。
【ケース別】自社に合った産業保健師を選ぶ方法

自社が取り組みを強化したい施策に応じたスキルや経験を有する産業保健師を選ぶことで、効果的な産業保健活動を行えます。では、自社に適した人材をどのように選べばよいのでしょうか。
産業保健師の採用について、面接時に確認しておくべき点やケース別のチェックポイントを解説します。
面接や採用時に確認しておくポイント
まず、産業保健師として全般的に求められるスキルや経験を確認します。以下の4つの観点から採用基準を決めておき、自社が求めるレベルにマッチするかを判断しましょう。
スキル
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説明
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面接での質問例
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コミュニケーション能力
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従業員の特性や状態に応じて動機付けを高めるコミュニケーション力、人事労務担当者や衛生管理者などとの連携力など。
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「面談を行う従業員に、考えを伝えても納得してもらえない場合、どう対応しますか」
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問題解決能力
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問題を本質的に理解し、長期的な視点で解決できる能力。地道な取り組みを重ねていく粘り強さも含む。
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「弊社は○○という点が健康上の課題ですが、あなたなら解決のためにどう取り組みますか」
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経営者視点とのバランス感覚
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企業の一員として経営的視点を持っているか。
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「企業の一員としてどのように貢献したいですか?」
「どのように貢献できますか?」
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組織に合わせた対応力
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組織特性や価値観を考慮した健康づくりのための事業、取り組みを推進できるか。
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「産業保健師として(未経験の場合は看護師として)組織の中で、ほかのメンバーとどのように連携した経験がありますか?」
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ケース①:メンタルヘルス不調による休職者対応が急務
メンタルヘルス不調による休職者対応を産業保健師に任せたい場合、メンタル面の相談対応ができる人材が必要です。精神科、心療内科での勤務経験や復職支援の経験があるかどうかを確認しておきましょう。
確認に当たっては、実際にどのような対応をしてきたのかを詳細に確認することが重要です。事務手続きも相談と並行して行っていたのか、どの担当者と連携していたのかなどを確認しましょう。詳しく確認することで、依頼できる業務範囲が明確になります。
また、社内で生じやすいケースを提示してどのように支援するかを尋ねてみてもよいでしょう。
ケース②:従業員の健康管理を行ってほしい
従業員の健康管理を任せたい場合、個人に合わせたきめ細やかな対応ができるかが重要です。具体的には、健康診断での有所見者との面談や受診勧奨などが含まれます。
とくに、説得が難しい従業員に受診勧奨したり、健康指導をしたりするなどコミュニケーション力が求められます。面接では、健康指導を拒否する従業員への対応を確認し、コミュニケーション力を把握できるとよいでしょう。
また、従業員の健康管理には、機関ごとに異なる健診データを整理したり、有所見者をピックアップするなど、地道な作業も求められます。事務的なスキルや適性についても確認しておきましょう。
ケース③:ストレスチェックによる職場改善を行いたい
産業保健師はストレスチェックの実施者となることが可能であるため、実施や結果の算出、集団分析まで一括して依頼するケースがあります。
ストレスチェックを一任したい場合、実施経験や集団分析経験の有無、担当範囲を確認することが大切です。未経験者の場合は、ストレスチェック実施者養成研修の受講有無を必ずチェックしておきましょう。
産業保健師を採用する目的を明確にしてから探しましょう
産業保健師を探すときには、採用した後にどのような点で役立てたいかを具体的にイメージすることが大切です。産業医との連携や従業員の健康管理など、強化したい産業保健活動の領域により、適切な人材も異なります。
まずは、社内でどのような方針で産業保健師を採用するのか、共通理解を得てから採用活動を行っていくとよいでしょう。自社のニーズがはっきりしない場合は、人材紹介サービスを利用し、専門のコンサルタントに相談してみることも一つの方法です。
ワーカーズドクターズでは、メンタルヘルスに関する対応経験が豊富な産業医や産業保健師を紹介できます。
企業様に合わせた提案を重視しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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