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産業保健師になるには何が必要?就職を有利にする資格とスキルを解説

  • 産業保健
更新日: 2025.02.19
産業保健師になるには何が必要?就職を有利にする資格とスキルを解説
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この記事を書いた人:佐藤将人

【監修】佐藤将人 ワーカーズドクターズ提携産業医、合同会社SUGAR代表医師、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、臨床心理士、中小企業診断士、両立支援コーディネーター、健康経営アドバイザー、日本肝臓学会専門医、日本外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

【監修】佐藤将人 ワーカーズドクターズ提携産業医、合同会社SUGAR代表医師、日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)、臨床心理士、中小企業診断士、両立支援コーディネーター、健康経営アドバイザー、日本肝臓学会専門医、日本外科学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

「産業保健師になりたいけど、どうやってなるんだろう…」

保健師は市町村での活躍が多いなか、企業で働く産業保健師は少数派です。どうやって産業保健師になるのか情報が少ないため、よくわからない人が多いのではないでしょうか。

産業保健師は「企業で社員の健康をサポートする業務を担う」専門職です。企業の健康経営推進を担う役割として、注目されている職業でもあります。

本記事では、産業保健師になる方法や必要な資格、スキル、就職活動を有利にするポイントを詳しく解説します。産業保健師への転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

産業保健師になる前に知っておきたい4つのこと

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保健師のなかで、企業に就職する人はごくわずかです。「産業保健師」を知っていても、どのような職場でどのように仕事をしているのか、知らない人が多いのではないでしょうか。

産業保健師とは 

産業保健師は、従業員や組織に対して病気予防や健康推進のために、産業保健サービスを提供する専門職です。従業員への健康指導やメンタルヘルス不調時の相談、産業医へのサポートなどの業務を行います。

法的な選任義務はありませんが、専門職として企業の健康経営推進のために注目されている存在です。

産業看護師との違い

企業に勤める保健師は「産業保健師」、看護師資格の人は「産業看護師」と呼ばれます。

企業で働くためには保健師資格が必須と思われるかもしれませんが、看護師資格でも「産業看護師」として活躍できます。実際、産業保健師と産業看護師とで担当業務はほとんど変わりません。産業保健師と産業看護師は、合わせて「産業看護職」と呼ばれます。 

狭き門?産業保健師の就職 

産業保健師は、一企業当たりの産業保健師の雇用人数が少ないため、就職や転職が難しい傾向にあります。令和2年度の調査によると、社員100人〜1,000人未満の企業の約8割で、産業保健師・看護師の雇用は1〜2名にとどまります。

選任義務がなく産業保健師の認知度もあまり高くないことから、複数人を採用しない企業が多いでしょう。産業保健師が1〜2名のみの職場は、新卒の保健師に新人教育や研修を受けさせるほどの余裕がありません。

そのため、保健師または看護師として勤務経験がある人を優先的に採用する傾向があります。 新卒の産業保健師では、即戦力として期待できないからです。新人はもとより経験のある保健師でさえも、産業保健師への就職や転職が難しいのが現状といえるでしょう。

求人が少ない地域で就職活動をする場合は、ハローワーク以外に看護師や保健師専門の人材紹介サービスの活用がおすすめです。ワーカーズドクターズでは、産業保健師未経験者でも応募可能な求人を多数ご用意しております。ぜひお気軽にご相談ください。

産業保健師の求人ならワーカーズドクターズにお任せ!

参考:保健師(年次別・就業場所別)(2011年~2020年)

参考:労働者健康安全機構「令和2年度事業場における保健師・看護師の活動実態に関する調査報告書【本編】」

産業保健師が活躍する職場 

産業保健師を多く採用しているのは、どのような企業なのでしょうか。企業の職種と規模の特徴についてご紹介します。

産業保健師が働く企業の職種

産業保健師・看護師は、工場や作業場などの「製造業」に最も多く採用されています。次に多いのが、病院の健康診断部門や老人保健施設などの「医療、福祉」、そして、鉄道や旅客、郵便配達などの「運輸業、郵便業」が続きます。

このことから産業保健師は、工業地帯と呼ばれるような工場が集まる地域で、より需要が多いといえるでしょう。 

産業保健師が働く企業の規模

令和2年度の調査によると、産業保健師・看護師を雇用する企業の割合は、社員が100人~300人未満の企業で14.2%です。一方、社員が1,000人以上の企業では72.5%まで増加します

このことから、産業保健師の需要は中小企業が集まる地方より、社員数1,000人以上の大企業が建ち並ぶ都市部に多いといえます。

参考:労働者健康安全機構「令和2年度事業場における保健師・看護師の活動実態に関する調査報告書【本編】」

産業保健師の仕事 

産業保健師は、「職場で働く人の健康をサポートする」のが仕事です。では、具体的にどのような業務を行っているのでしょうか。

健康相談や保健指導

体調に関する相談を受けたり、健康診断の結果を踏まえて、生活習慣の改善についてのアドバイスなどを行います。また、メンタルヘルス不調者への対応や長期休養後の復職サポートも、重要な業務の一つです。

他には、近年、各種がんに罹患しても、通院治療を続けながら働く人が増えています。治療と仕事が両立できるよう、産業保健師は細やかなケアを行います。 

職場巡視や安全衛生委員会への関わり

職場環境や作業環境を、実際に産業医と見て回ります。健康障害の予防や労働災害防止が目的の安全衛生委員会に、産業医とともにオブザーバーとして出席しアドバイスや指導を行います。

労働衛生管理や健康診断の実施など保健事業の年間計画作成への関わり

職場環境や労働条件の改善、社員の健康増進目的のイベントなど、保健事業の年間計画作成に参加します。 産業保健のスペシャリストという立場から、アドバイスなどを行います。

ストレスチェックの実施

医師や保健師のほか、厚生労働大臣が定める研修を修了した看護師も、ストレスチェック実施者になることが可能です。産業保健師は、ストレスチェックの実施準備や高ストレス者の把握と対応など、中心的な役割を担います。

参考:労働者健康安全機構「令和2年度事業場における保健師・看護師の活動実態に関する調査報告書【本編】」

産業保健師に必要な資格とスキル

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産業保健師になるためには、「必須資格」「推奨スキル」の2つがあります。特に「取得がのぞましいスキル」の取得は就職の際、有利に働くでしょう。

産業保健師になるために必要な資格 

産業保健師になるためには、保健師資格が必要です。ただし、保健師資格を得るために、まずは看護師資格を取得しなければなりません。

看護師資格を取得するには、高校卒業後に看護系大学や短大、専門学校で3~4年の教育を受けたのち、看護師国家試験に合格する必要があります。

次に、保健師国家試験の受験資格を得るためには、看護系大学院や看護短大専攻科、保健師養成所などで1~2年の専門教育を修める必要があります。

高校卒業後に看護系大学に進学した場合は、保健師選択課程を選択すれば看護師国家試験と保健師国家試験のW受験が可能です。

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参考・引用:厚生労働省「保健師 - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」

産業保健師の就職に有利な5つの資格とスキル 

産業保健師は少数精鋭の職場が大半です。そのため、企業は採用の基準に「即戦力」を重視する傾向があります。また、企業にはさまざまな業種がありますが、各職場で産業保健師に求められる能力は共通しています。 

①保健師・看護師経験 

1〜3年の保健師または看護師経験があると、産業看護職としての基本スキルがすでに身についているとみなされます。即戦力として期待できるため、企業からの需要が多く就職に有利です。 

②労働安全衛生関連の資格・経験

職場環境の安全管理や社員の健康管理を行う上で、衛生管理者、労働衛生コンサルタント、健康経営アドバイザーの知識が役立ちます。

また、けがが多い工場や建設現場では外科や整形外科での勤務経験が、メンタルヘルス不調が多い企業では心療内科や精神科の経験が生かせます。

ほかにも、コールセンターなど女性が多く働く職場であれば、女性特有の問題に対応できる産婦人科の知識が役に立つでしょう。 

参考:厚生労働省「衛生管理者について教えて下さい。」

参考:厚生労働省「労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタント」

参考:東京商工会議所「健康経営アドバイザー 」

③メンタルヘルスケア

ストレスチェック後の高ストレス者への対応や長期休養者の復職フォローなどには、どの企業も頭を悩ませています。

産業カウンセラーやメンタルヘルス・マネジメント検定、公認心理師などのメンタルヘルス関連の資格を取得している人材は、企業からの需要が多いでしょう。 

参考:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:大阪商工会議所「メンタルヘルス・マネジメント検定試験 | 働く人たちの心の健康と活力ある職場づくりのために」

参考:厚生労働省「公認心理師」

④コミュニケーションスキル

健康相談や保健指導は、産業保健師のメイン業務といえます。社員一人ひとりと対話する機会が多いため、コミュニケーションスキルは産業保健師にとって必須です。

MI(動機付け面接)やアサーション、アンガーマネジメントは、保健指導やコミュニケーションスキル向上に役立ちます。 また、外資系企業で働く場合は英語のスキルが生かせます。

昨今、製造業や建設業、卸売業、小売業、医療、福祉業界では外国人労働者の雇用が増加しており、英語以外にベトナム語や中国語などの需要があります。

参考:日本動機づけ面接学会「動機づけ面接の普及・促進及び実際の臨床で使える技能を持つカウンセラーの養成・評価」

>参考:こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「アサーション訓練:用語解説」

参考:日本アンガーマネジメント協会

参考:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況【概要版】(令和2年)

⑤パソコンスキル

健康教室やその他イベントでのプレゼンテーション、健康診断結果についての統計処理、健康推進啓発フライヤー、健康コラム作成などで、Word、Excel、PowerPointなどを使用します。

産業保健師を目指すのであれば、基本的なパソコンスキルの習得が推奨されます。

産業保健師になるなら資格以外にスキルと経験も

産業保健師は、企業が健康経営を推進する上で、今後ますます需要が高まる職種である一方、一企業あたりの雇用人数は多くありません。さらに、企業は即戦力を求め経験者を優遇する傾向があるため、新卒者や未経験者の就職は狭き門といえるでしょう。

産業保健師を目指す場合は、必須資格以外に他職場での経験、メンタルヘルスや労働衛生の知識があれば就職に有利です。そして、各分野のスキルアップとともにハローワークや人材紹介サービスを上手に活用すれば、就職や転職の早道になります。

現在すでに産業保健師として活躍している場合も、キャリアアップのために今までの経験をどう生かすかを考えることが大切です。産業保健師に求められるスキルを再確認し、経験の棚卸しやリスキリングに取り組んでみましょう。

ワーカーズドクターズでは、産業保健師未経験者でも応募可能な求人を多数ご用意しております。ぜひお気軽にご相談ください。

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公開日: 2025.02.19
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