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ストレッサーとは?種類ごとの原因と対策について

  • 産業保健
更新日: 2025.02.12
ストレッサーとは?種類ごとの原因と対策について
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この記事を書いた人:ワーカーズドクターズ編集部

産業保健に関する情報を幅広く発信。産業医業界で10年以上、約1,250ヶ所の事業場の産業保健業務サポートをしているワーカーズドクターズだからこその基礎知識や最新の業界動向など、企業様の産業保健活動に役立つ情報をお届けします。

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ストレス要因である「ストレッサー」にはさまざまな種類があり、とくに職場においては、仕事内容や人間関係に起因する心理的・社会的ストレッサーが多く見受けられます。本記事では、ストレッサーの4つの種類や、職場におけるストレッサーの具体例とその対策について詳しく解説します。

ストレッサーの例を把握することで、早めに対処することが大切です。メンタルヘルスケアに力を入れたいとお考えの方はぜひ参考にしましょう。

ストレッサーとは

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ストレッサーとは簡単に言うと、ストレスを引き起こす原因のことです。大きく4種類に分けられます。

寒冷や騒音などの環境刺激による物理的ストレッサー、化学物質が引き起こす化学的ストレッサー、炎症や感染などが原因の生物的ストレッサー、そして、仕事内容や人間関係などが原因となる心理的ストレッサーの4つです。

ストレスは、適度であれば成長や活力につながりますが、過剰になると心身の健康を損なう恐れが出てきます。

ストレッサーがもたらす心・身体の不調とは

長期間にわたってストレッサーが続くと、心身に不調を引き起こす可能性があります。

心理的な面では、活気の低下やイライラ、不安感、抑うつ状態など、身体的な面では、頭痛や肩こり、腰痛などの身体の痛みや、目の疲れ、動悸・息切れ、食欲低下、睡眠障害などがあげられます。

ストレッサーがもたらす不調は、長期間続くことで慢性化し、生活の質や健康に深刻な影響を与えかねません。そのため、従業員が抱えるストレスを軽減し、適切に対処することが重要です。

ストレッサーの種類

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ストレッサーは、外的刺激の種類によって4つに分けられます。

メンタルヘルスケアを考える上では、どのストレッサーに起因するものかを把握することは大切です。以下で、それぞれの特徴を解説していきます。

物理的ストレッサー(寒冷、騒音など)

物理的ストレッサーとは、物理的な環境の不快さから生じるストレス要因です。具体的には、寒冷や騒音などの外的刺激があげられます。
たとえば、寒冷な職場環境下では、体温調節が困難になり健康リスクが高まったり、騒音にさらされることで、睡眠障害や集中力の低下につながったりします。

化学的ストレッサー(酸素、薬物など)

化学的ストレッサーとは、化学物質の影響によって引き起こされるストレス要因です。酸素不足や大気汚染、食品添加物や薬物、アルコール、タバコなどを指します。
タバコに関しては、非喫煙者からすれば、臭いは大きなストレッサーです。狭い空間での香水や食事の臭いも、人によっては化学的ストレッサーと言えます。

生物的ストレッサー(炎症、感染など)

生物的ストレッサーとは、過剰な免疫反応によって引き起こされるストレス要因です。炎症や感染症、花粉・ハウスダストなどのアレルギー反応が含まれます。
一部の企業では、花粉症による生産性低下を防止するため「花粉症手当」を採用している企業もあります。

心理的ストレッサー(怒り、不安など)

心理的ストレッサーとは、心の状態や精神的な要因によって引き起こされるストレス要因で、仕事量や責任、人間関係などのさまざまな心理的負担を指します。
仕事でのトラブルや人間関係の問題が原因で、不満や怒り、不安などがストレスとなることは少なくありません。職場においては、心理的ストレッサーがウェイトの大半を占めるため、事例などを次章以降で詳しく紹介します。

職場におけるストレッサーの例

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職場におけるストレスを強く感じる例として、仕事の量や質、人間関係、また、地位や待遇、役割・地位の変化、雇用の不安定さなどがあげられます。

以下で、職場におけるストレッサーの具体例と企業が取り組むべき対策を紹介します。

業務範囲が曖昧で仕事の量が増える

業務範囲が曖昧だと、従業員は自身が担当する仕事がどれなのかわからなくなり、必要以上に仕事を抱え込んでしまう可能性があります。また、ほかの人の仕事まで引き受けて、仕事量がどんどん増え、ストレスになることもあります。

対策として、従業員には仕事の優先順位をつけさせたり、タスク管理ツールを活用させたりすることが有効です。また、企業として、従業員が業務を頼まれても断りやすい環境作りに取り組むことも重要です。

裁量度が低い仕事と感じる

従業員は裁量度が低い仕事では、上司やクライアントから指示された通りにこなすだけで、自分の考えやアイデアを反映させられず、仕事への意欲低下につながります。「やらされ感」で仕事をするため、仕事自体がストレッサーになるのです。

このような場合は、従業員の意見や提案を積極的に受け入れ、自らのアイデアを実現できるような環境を整えるようにしましょう。

また、従業員たちに小さな目標を設定させ、達成感を味わえるようにサポートすることも必要です。

役職や部署が変わる

役職や部署が変わることは、仕事内容や人間関係、責任の範囲などが大きく変化するため、ストレスを感じやすくなります。負担やプレッシャーが増えたり、他者からの評価が変わったりするかもしれません。

従業員が、新しい仕事に前向きに取り組んだり、自分のペースで仕事を進めたりできるように力添えすることが大切です。

自己管理やストレス管理の技術を磨き、変化に対処する能力を高めることで、ストレスを軽減しやすくなります。

パワハラといった人間関係に悩む

暴言や罵倒、無視や仲間外れ、必要以上の厳しい指導などは、従業員に大きなストレスを与えます。

これらの行為は労働環境やチームの雰囲気に悪影響を及ぼし、従業員のメンタルヘルスやモチベーションにも悪影響を与える可能性があります。

対策としては、社内ルールやマナーを徹底し、上司や同僚には適切なコミュニケーションと尊重を求め、不適切な言動を防ぐよう呼びかけましょう。
また、社内に相談窓口を設け、従業員の相談に迅速かつ適切な対応がとれる体制作りも重要です。

また、コンプライアンス教育の強化をしたり、問題解決へのサポートをしたりすることも重要です。管理者は、従業員の相談を受け、適切な対処法を提案できるよう努めましょう。

従業員のストレスを把握する方法

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従業員のストレスを把握することは、メンタルヘルスを守るために非常に重要です。ここでは、従業員のストレスを知るための有効な方法を解説していきます。

ストレスチェックの実施

ストレスチェックは、従業員の心理的負荷やストレスの程度を評価、メンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的とした検査です。

2015年12月から労働者数50人以上の事業場を対象に、ストレスチェックの実施が義務化されており、健康管理の重要な一環として位置づけられています。

▼関連記事はコチラ
ストレスチェックの義務化とは?概要や手順、罰則について解説

集団分析の実施

ストレスチェックの結果を集団レベルで分析することも重要です。

集団分析によって、従業員全体のストレスの傾向や特徴を把握し、組織全体の健康状態を把握できます。

ストレスチェックの集団分析及びその結果に基づく対応は、事業者の努力義務とされています。しかし、実施し職場環境を改善することは、企業にとっても大きな利点につながります。

▼関連記事はコチラ
ストレスチェックの効果的な活用方法とは?集団分析のやり方や事例について解説

ストレッサーへの対処法

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ストレッサーに適切に対処するには、職場のメンタルヘルスケアが重要になってきます。

適度な運動や十分な睡眠、バランスのとれた食事などのセルフケアも大切ですが、上司が部下の不調に気づいたり、相談しやすい環境を作ったりするなどのラインケアも欠かせません。

また、理想的な職場環境の実現について、専門的な知見のある産業医に相談するのも一つの手段になります。

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産業医に聞きました!産業保健はなぜ⼤事?企業担当者が押さえておきたいポイント

まとめ|ストレッサーへの対処で働く環境を整備

ストレッサーとは、ストレスを引き起こす原因のことをいい、4種類に分けられます。そのなかの1つである、「心理的ストレッサー」は仕事でのトラブルや人間関係が問題で発生するため、未然に防ぐ対策を行いましょう。

心理的ストレッサーを未然に防ぐ方法として、ストレスチェックを実施することや、メンタルヘルス対策を積極的に講じることが大切です。状況によっては、産業医を置くという手段もあります。

従業員が健やかに仕事に取り組むためにも、ストレッサーを把握し、早急な対策を目指しましょう。

公開日: 2025.02.12
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