あなたの会社の職場に休みがちな人やボーっとしている社員はいませんか?
もしかしたら、その社員は「適応障害」を患っている可能性があります。
適応障害は現代社会において決して珍しい病気ではなく、社員のメンタルヘルスに取り組むうえで適応障害への理解は必須です。
当記事では、適応障害の原因と症状、発症を防ぐために職場ができる対策から発症してしまった社員へのサポート方法まで解説します。
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もしかしたら、その社員は「適応障害」を患っている可能性があります。
適応障害は現代社会において決して珍しい病気ではなく、社員のメンタルヘルスに取り組むうえで適応障害への理解は必須です。
当記事では、適応障害の原因と症状、発症を防ぐために職場ができる対策から発症してしまった社員へのサポート方法まで解説します。
まず、適応障害がどういった病気なのかを理解しましょう。
発症の原因やとくに起こりやすいケース、具体的な症状についても解説していきます。
適応障害とは、外的環境によるストレスが原因で起こる心因性の精神疾患です。
うつ病や躁病と同様に抑うつや不安を伴う障害ですが、うつ病ほど重篤ではありません。
▼参考資料はコチラ
厚生労働省「e-ヘルスネット 健康用語辞典『適応障害』」
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適応障害はその名の通り、自分の置かれた環境に「適応」できずに苦痛を感じ、それが原因となって発症するケースが多い病気です。
置かれる環境や環境への感じ方に個人差はありますが、とくに就職・転職時や転勤、結婚・離婚など、生活環境が大きく変わるタイミングで発症しやすいと言われています。
適応障害は、不安感や緊張、抑うつ気分などの情緒的な症状だけでなく、不眠や食欲不振、倦怠感など身体的な症状も引き起こします。
また、人によってはひきこもりや攻撃的な言動などの行動に表れる症状も発現し、場合によっては社会生活に支障をきたしてしまいます。
適応障害は本人にとっても周囲の人にとっても気づきにくく、知らない間に症状が重くなるおそれがある病気です。
そこで、社員が適応障害に陥るのを未然に防ぐため、職場単位でできる対策について解説していきます。
長時間労働が横行する職場は、個人差はあれど、多くの人にとって適応するのが困難な環境と言えるでしょう。
不当な長時間労働が長く続けばストレスにつながり、適応障害のきっかけになりかねません。
勤怠管理を適切に実施し、労働時間に問題が生じている場合は速やかに改善しましょう。
被害者にストレスを与えるパワハラやセクハラをはじめとしたハラスメント(嫌がらせ)は、適応障害の要因に十分なりえます。
また、昨今ではリモートワークの環境下でストレスを抱えている方もおり、「リモハラ」が注目されています。
リモートワークだから大丈夫と思わず、あらゆる角度からハラスメントの予防・撲滅に努め、社員をストレスから守りましょう。
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リモートワークで急増している「リモハラ」とは?あなたの職場は大丈夫?
社員が過度なストレスを感じている場合、情緒や身体の不調として表れるケースが多く見られます。
ここでは適応障害の恐れがある心身のサインをいくつか挙げてご紹介します。
こうしたサインを周囲がキャッチできれば、職場としても対策に乗り出すきっかけになります。
適応障害のきっかけになるのは、「適応できないこと」自体ではなく、それを原因としたストレスです。
そのため、日々のストレスや不安に関して、気軽に相談できる窓口の設置・周知も重要です。
とりわけこうした相談窓口には、産業医を配置すると大きな効果が期待できます。
産業医にはメンタルヘルスに関する相談もできるため、産業医の役割を改めて確認し、社員の健康管理に活かしましょう。
産業医を設置していない企業は、導入について検討してみてはいかがでしょうか。
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メンタルヘルスの病気は見えにくい点が問題です。
職場でどれだけ対策したとしても、適応障害を発症する社員が出てしまう可能性は十分に考えられます。
では、適応障害と診断されてしまった社員に対し、職場では何ができるのでしょうか。
ここでは3つの方法についてご紹介します。
事情を知る同僚や上司が協力し、当人の相談に乗ってあげるのももちろん大切ですが、メンタルヘルスは繊細な問題です。
基本的にはメンタルヘルスの専門家で、かつ第三者的な立場である産業医やカウンセラーへの相談を促すと良いでしょう。
カウンセリングが必要な社員に対して相談窓口を案内し、相談できる場所があるとしっかり伝えることが重要です。
適応障害の原因となるストレスが、問診やストレスチェックなどで判明している場合、その原因への対策として労働環境や組織の改善を行うのも効果的です。
労働環境については、業務量の調整や部署異動などの大きなアクションはもちろん、場合によっては出社時刻や座席位置、ミーティング方法など、細かい部分を調整するだけでも効果を発揮するケースがあります。
上記の対応をとっても改善が難しい場合、速やかに休職を促しましょう。
休職は法律上の義務ではありませんが、社員の安心と健康を守るために必要な制度です。
人によっては心理的に休職を申請しにくかったり、休職するための手続きがわかりにくかったりと、余計な負荷がかかってしまうかもしれません。
しかし、人事や総務担当者が提案すれば、当事者も休職へのハードルが下がるでしょう。下記記事では、企業が下す休職命令と産業医面談における勧告との関係性について解説しています。
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続いて、適応障害の社員が休職していた場合、復帰の際に企業側がどういった点でサポートできるでしょうか。
3つのポイントについてご紹介します。
当事者本人の希望や意思だけで復職させてしまうと、時間とともに休職前の状態に戻ってしまったり、最悪の場合は以前より悪化したりする可能性があります。
専門的に判断できる主治医や産業医、客観的に判断できる当事者の家族とも連携しながら復職を進めましょう。
問題なく復帰できると判断された場合であっても、最初からフルタイムの勤務ではなく、短時間・軽い業務での試し出勤を実施しましょう。
業務時間や業務量が原因で適応障害を発症した社員であればなおさらです。
試し出勤から少しずつ勤務時間を延ばし、慣らしていくとスムーズな復帰がしやすくなります。
業務の性質自体がストレスの原因になっていた場合は、社員が復帰する前から変更・調整が済んだ環境を用意しておきましょう。
たとえば、スケジュールが流動的な仕事から単調な仕事へ移管させたり、配属するチームや部署を変更したり、当事者が適応しやすい環境が望まれます。
環境に適応する能力やストレスの感じ方は人それぞれです。
しかし、テレワークの普及で働き方が変わる一方、社員が置かれる環境はさらに多様化しています。
この現代社会において、誰が適応障害になってもおかしくはないのです。
企業の人事・総務・労務担当者は、社員の適応障害予防に積極的に取り組み、発症者が出た場合は適切にサポートしていきましょう。
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