「エアロゾル」とは、空気中に浮遊する、直径が0.001μmから100μmの粒子のことであり、一般に直径5μm以上の大きさと定義される「飛沫」よりも細かいものを指します。 「エアロゾル感染」は、病原体を含むエアロゾルが空気中を漂い、それを吸い込むことで生じる感染です。
エアロゾル感染とは? 飛沫感染・空気感染との違い
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エアロゾル感染とは
エアロゾル感染と飛沫感染・空気感染の違い
エアロゾル感染は飛沫感染の一種ですが、一般的に考えられている飛沫感染や接触感染とは異なり、まだ明確な定義がありません。 また、空気感染とは原理が異なります。ここでは、エアロゾル感染と飛沫感染・空気感染の違いについて解説していきます。
飛沫感染との違い
先に述べた通り、エアロゾルと飛沫は粒子の大きさが異なります。飛沫感染では、ウイルスを含む飛沫が口、鼻、目などの露出した粘膜に付着することで感染します。 このとき、ツバの大きさは5μm以上であり、中の水分の重みで口から出て1?2mの距離以内に落ちると推定されます。そのため、飛沫感染は人との距離を1?2m空けることによって予防できます。
空気感染との違い
空気感染は、エアロゾルよりもさらに小さな微粒子が空気中を広範囲に長時間漂うことで、それを吸い込んで感染する感染経路です。空気感染するウイルスは麻しん、水痘(水ぼうそう)、結核菌といった特定のウイルスに限られます。
新型コロナウイルスの3つの感染経路
新型コロナウイルスは、飛沫よりさらに小さい5μm以下のエアロゾル中にも存在する可能性が指摘されており、新型コロナウイルスの感染経路は以下の3つと考えられます。
- ・接触感染
- ・飛沫感染
- ・エアロゾル感染
特にエアロゾル感染については、クラスター(小規模な集団感染)の大きな原因とも言われています。
3密状態がエアロゾル感染を助長する?
先述の通り、飛沫感染は通常2m以内の距離で起こるため、ソーシャルディスタンスの確保や咳・くしゃみをする際にマスクなどで口元を覆うこと(咳エチケット)が有効です。
しかし、2?3μm以下のエアロゾルは、軽いためにすぐには地面に落下せず、しばらくの間、空気中を漂い続けます。その結果、2m以上離れていたとしても感染に至ってしまうのです。
通常は、微小なエアロゾルはすぐに乾燥するので、ウイルスは長く感染力を保てないと考えられています。しかし、人が密集し、湿気が籠り、風通しの悪いような環境(3密状態)では、ウイルス が存在するエアロゾルが水分を保った状態で、長時間、空気中を漂い続けることもありえます。
3密を避けてエアロゾル感染を防ごう
エアロゾル感染を予防するには、何と言っても「密閉・密集・密接」の3つの密を避けることがポイントになります。エアロゾルは直径が小さく、マスクの繊維の目をすり抜けていく可能性も高いため、咳エチケットのマスク着用のみならず、密を避けることが大切なのです。
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