新型コロナウイルスの検査方法として、厚生労働省が「抗原検査」の検査キットを承認しました。簡易な検査が登場したことによって、検査や診療の迅速化が期待されています。
また、緊急事態宣言解除後に、人の移動や経済活動をどのように再開させるか、という課題に対して、既に感染したことがある方や、開発が期待されるワクチンの効果を見定める方法として、「抗体検査」の研究が進められています。
新たに「抗原検査」が承認されました
これまで、新型コロナウイルス感染の有無を調べるには「PCR検査」のみが用いられていましたが、検査には専用の検査機器と技能を習得した検査技師が必要となるため、検査のキャパシティ不足や、検査結果がわかるまでに時間がかかることが問題となっていました。
その対策として、インフルエンザの検査のように、その場で簡易・迅速な検査を行うことができる「抗原検査」の検査キットの使用が、厚生労働省により5月13日に承認されました。
検査キットの生産が拡充され、医療機関に行き渡ることで、今後はより多くの方が検査を受けることができるようになるでしょう。
新型コロナウイルス 各検査方法の特徴
「抗原検査」は、既存の「PCR検査」に比べて検査精度に劣るため、結果が陰性であった場合は改めて「PCR検査」を行う必要があることに留意が必要です。
その他、検査の信頼性が十分でないとして、厚生労働省ではまだ承認されていませんが、「抗体検査」が存在します。
「PCR検査」「抗原検査」は、現在新型コロナウイルスに感染しているか否か、を調べるものですが、一方で「抗体検査」は、過去に新型コロナウイルスに感染したことがあるか、を調べるものであり、検査の方向性が異なります。
「抗体検査」については、研究が進められ、抗体を持つ方が再感染する可能性の有無などが明らかになれば、イギリスで導入が検討されている「免疫パスポート」構想、5月20日の国会で触れられた「国内パスポート」構想などの出口戦略に、他の検査と併せて活用される可能性があります。